「熱もないし、唾を飲み込んでも喉が痛まない。それなのに急に声だけが出なくなった」というケースでは、単なる風邪とは異なる原因が潜んでいる可能性があります。声が出ない・喉の痛みなしという状況で考えられる代表的な要因は以下の通りです。
まず疑われるのが、声の使いすぎによって生じる声帯結節や声帯ポリープです。声帯粘膜にペンダコのような硬い隆起(結節)や、毛細血管の破綻による血腫(ポリープ)ができると、左右の声帯が綺麗に合わさらなくなり、空気が漏れてかすれ声(嗄声)になります。痛みを感じないことが多いため、受診が遅れやすい特徴があります。
さらに見逃せないのが、精神的ストレスや過度な緊張が引き金となる心因性発声障害です。心理的な防衛反応として声帯の運動調節がうまくいかなくなり、囁き声しか出なくなったり、完全に声が出なくなったりします。また、胸部や甲状腺の手術後、あるいはウイルス感染後に声帯を動かす神経が麻痺する反回神経麻痺でも、痛みなしに突然声が出なくなることがあります。
放置すると後遺症や慢性的な発声障害に繋がる恐れがあるため、以下の耳鼻咽喉科を受診する目安を基準に行動してください。
- 声枯れが3日以上経過しても全く改善しない
- 息苦しさや呼吸困難感を伴う
- 血痰が出る、または固形物が飲み込みにくい
- 喉に何かが引っかかっているような強い異物感が続く