青山通り沿いに建ち並ぶファサードの変化に、いま多くの歩行者が足を止める。かつて主流だった全面ガラス張りや幾何学的な金属素材の超高層デザインは影を潜め、国産の再生木材や地元の自然石を取り入れた有機的な建造物が主役に躍り出た。
この変化は単なるデザインの流行にとどまらない。環境負荷の低減と都市の温熱環境改善を目指す都市設計が本格化するなかで、建築家たちはコンクリートの寒々しさを排し、素材そのものが持つ温もりと風合いを前面に押し出している。光と影が巧みに計算された中庭を持つ小規模な複合ビルは、都市の中にありながら深い静寂を提供し、通りを歩く人々に一瞬の安らぎを与えている。