マウンド上でどんなピンチを迎えても、彼の表情が大きく崩れることはない。その強靭なメンタルの根底には、中学生時代に経験した小児脳腫瘍という大病との闘いがある。生存率の低い大手術を乗り越え、再び大好きな野球ができる喜びを知った男にとって、プロのマウンドでのピンチなど恐怖になり得ないのだ。
「野球ができるだけで幸せ」という揺るぎない原体験。それが、緊迫した場面でも冷静沈着にストライクゾーンを攻め切る度胸を生み出している。彼の投球スタイル全体に漂う品格と余裕は、過酷な試練を乗り越えてきた人生の深みそのものである。