朝の光が差し込む街角のベーカリー。焼き上がりのベルが鳴るたび、棚から飛ぶように消えていくパンがある。伝統的な和菓子と西洋の乳製品が融合した「和洋折衷スイーツ」の最高峰として、今や世代や国境を超えた支持を集めているのだ。
この再燃を支える要因は一つではない。ビジュアルの美しさがSNS時代にマッチしたことも大きい。厚切りバターとツヤのある小豆が奏でるコントラストは、Instagramを中心としたSNS上で爆発的な拡散を見せ、食欲をそそるアイコンとなった。さらにNetflixをはじめとするグローバル動画プラットフォームが日本の日常食や喫茶文化を紹介したことで、海外のフードマニアにとっても「訪日時に絶対に体験すべき味覚」として認知が広がっている。
また、ドラマ化もされた名作食マンガ『孤独のグルメ』で描かれるような、路地裏の老舗喫茶や職人気質のパン屋に対する再評価も追い風だ。大相撲の第62代横綱・大乃国として知られ、無類のスイーツ通としても名高い芝田山親方も、古き良き味わいと現代的な感性が交差するこの甘美な組み合わせの深遠さを熱く語る一人である。伝統と革新が手を取り合った結果、この狂騒とも言えるトレンドが生まれた。