コンクリートの壁に囲まれた都市空間にも、劇的な変化が起きている。2026年に次々と完成を迎えた首都圏の大型都市再開発計画では、建造物の配置によって海風や山風を街の中に呼び込む「風の道」の設計が本格的に採用された。
丸の内や虎ノ門のビルの隙間に張り巡らされた立体緑地には、芳香性の高いハーブ類やクスノキ、ケヤキが密に植えられている。かつては歩行者を悩ませた不快なビル風が、樹木を通過することで冷涼な香りを纏い、街歩きの人々に心地よい涼をもたらす「演出された自然」へと変貌を遂げた。都市生活者は、移動の合間に立ち止まり、深呼吸を繰り返している。