物語の引き金となったのは、東京中央銀行大阪西支店で起きた西大阪スチールへの5億円無担保融資事件だ。一見すると新規取引先の計画倒産による焦りつき事故に見えたが、その陰には冷酷な計算が働いていた。支店長である浅野は、本部からの評価と自身の出世実績を焦るあまり、強引に融資を実行させたのだ。融資課長だった半沢の慎重な懸念を「支店長命令」の一言で退け、強行突破した代償はあまりにも大きかった。
しかし、倒産は偶然の産物ではない。浅野と西大阪スチールの社長・東田が裏で通じていた事実が暴かれた瞬間、物語の質相は一変する。5億円という巨額の融資を実行させた見返りとして、浅野は5000万円もの極秘のキックバックを受け取っていた。株式投資で作った巨額の個人借金を穴埋めするための背任行為。保身のために部下を身代わりにして蜥蜴の尻尾切りを図ろうとした狡猾さが、半沢の復讐心に火をつけることとなった。