駅から北へ足を進めると、網の目のように伸びるアーケード商店街が現れる。「杭瀬一番街」「杭瀬栄町商店街」「杭瀬昭和ショッピングロード」、そして歴史ある「杭瀬市場」だ。昭和の高度経済成長期、周辺の工場群で働く労働者とその家族の胃袋を支え続けたこれらの商店街は、今や新しいカルチャーの発信地に姿を変えつつある。
シャッターが閉まっていた古い店舗を、地域の若手起業家やDIY好きの移住者たちがリノベート。惣菜屋の並びにおしゃれなスタンドバーが佇み、伝統的な豆腐屋の隣で焼きたてのナチュラルベーカリーが香ばしい声を上げる。新旧の店主たちが日常的に声を掛け合う光景は、観光地化されたレトロ街にはない「生きているコミュニティ」そのものだ。