横三色の「白・青・赤」国旗のルーツを歴史の糸で手繰り寄せると、17世紀に「海の王者」として君臨したオランダへ行き着く。世界中の海を巡っていたオランダ商船の旗は、当時もっとも認知された海軍力と貿易の象徴だった。
この強大な海洋国家のデザインに強烈な感銘を受けたのが、ロシア帝国の近代化を推し進めた大帝ピョートル1世である。彼は自らオランダへ赴いて造船技術を学び、その過程で目にしたオランダの旗(赤・白・青)に着想を得て、自国の商船旗を考案した。配色を組み替えて上から「白・青・赤」としたこの旗こそが、現在のロシア連邦の国旗の原点だ。
この3色は19世紀のパン・スラブ主義運動を通じて東欧の諸民族へと波及し、「スラブ共通の色」としての地位を確立した。今なお東欧やバルカン半島の国々に類似の配色が多いのは、この歴史的経緯に起因している。