洋装化の波は、ものづくりに携わる女性たちの感性によってさらに加速した。作家であり卓越したデザイナーでもあった宇野千代は、着物の美しさを認めつつも、女性の身体を締め付けから解放する機能的な衣服の重要性を説き、自ら新しい下着や洋服のスタイルを提案し続けた。彼女の活動は、因習に囚われていた当時の女性たちに鮮烈な刺激を与えた。
こうした時代のうねりは、小篠綾子をモデルにした連続テレビ小説『カーネーション』でも活き活きと描かれている。主人公が旧来の着物文化に風穴を開け、ミシン一台で洋裁の道を切り拓いていく姿は、まさに下着や洋服を通じて女性が社会進出を果たしていった時代の縮図だ。現在、NHKオンデマンドやNetflixなどの配信プラットフォームを通じて同作を再視聴する若い世代の間でも、布一枚をめぐる先人たちの葛藤と情熱が改めて強い共感を呼んでいる。