「別府市大学生死亡ひき逃げ事件」が社会に与えた最大の衝撃は、道路交通法違反・殺人容疑への罪名変更だった。通常、車両による衝突事故は自動車運転処罰法(過失運転致死傷や危険運転致死傷)で処理される。しかし、直前のトラブルから被害者を執拗に追尾し、ブレーキ痕すら残さずに時速96キロで激突したという客観的事実から、捜査本部は「未必の故意」による殺意を認定した。
この歴史的な判断の背景には、最愛の家族を理不尽に奪われた遺族の血のにじむような署名活動と、大分県警察の執念があった。殺人罪が適用されたことで公訴時効は完全に撤廃され、八田容疑者が何年逃げ続けようと罪を免れる道は完全に断たれたのである。