この波及効果は、ビジネスの現場にも明確な地殻変動をもたらしている。都内のベンチャーキャピタルが今年実施した意識調査によると、投資家が起業家に求める資質として「折れないメンタル」に続き、「自身の失敗に対する素直な悔しさ」が上位にランクインした。
スマートにプレゼンをこなし、ロジックで失敗を言い訳する若者は増えた。しかし、壁にぶつかったときに本当の推進力を発揮するのは、敗北を直視して夜も眠れないほど葛藤できる人間だ。ある大手メーカーの採用担当者は明かす。「完璧な受け答えをする応募者よりも、過去の挫折を思い返して本気で感情を露わにできる人のほうが、入社後の伸び代が段違いに高い」。