この楽曲の制作当時、松本孝弘と稲葉浩志の二人は凄まじいプレッシャーと創作意欲の渦中にいた。次々とミリオンセラーを叩き出すメガヒットアーティストへと駆け上がる階段の途上、多忙を極めるスタジオワークの合間を縫って『ALONE (B'zの曲』のデモテープは練り上げられていった。
松本孝弘が紡ぎ出したメロディラインは、歌謡曲の情緒と洋楽ハードロックのダイナミズムが見事に融解したものだった。特に間奏のギターソロは、1音1音に魂を絞り出すようなチョーキングが施され、言葉以上に雄弁に感情を物語る。松本自身も後年のインタビューで、メロディの美しさとギターのトーンに対する徹底的なこだわりを幾度となく振り返っている。
一方、作詞を手がけた稲葉浩志が描いたのは、ありふれた感傷的なラブソングではなかった。「失った愛への後悔」をただ嘆くのではなく、「他者との決定的な断絶を知ることで、初めて自分自身の孤独と向き合い、自立していく人間の姿」を生々しく刻み込んだのだ。群衆の中でふと覚える疎外感、夕暮れの街並みに置き去りにされたような痛み。その内省的な眼差しこそが、この曲を時代を超越した名作へと昇華させた最大の要因である。