岸信千世氏の選挙区である山口2区は、岩国市、下松市、光市、柳井市、周南市の一部、そして周防大島町や田布施町などを含む広大なエリアです。保守地盤が強固とされる農漁村部から、米軍基地を抱える岩国、重化学工業地帯の周南周辺まで、地域ごとに抱える課題は多岐にわたります。
現場取材を通じて聞こえてくる地元住民の評価は、真っ二つに割れています。岩国市の70代自民党支持者は次のように語ります。
「岸信夫先生が体調を崩された時、誰が地域の防衛や米軍基地問題を国と交渉できるのか本当に心配だった。信千世さんは若いが、記者時代に培ったフットワークがある。初めは家系図で叩かれて心配したが、本人は至って謙虚で、地元の集会でも年寄りの話を遮らずにじっくりメモを取っている。看板だけでなく、本人の誠実さを信じて応援している」
一方で、下松市に住む40代の会社員男性からは、まったく異なる厳しい見解が示されました。
「代々同じ家系が議席を独占し続けることに強い違和感がある。初選挙での僅差は、有権者の『無条件で投票するのはやめた』という無言の警告だったはず。記者経験があるなら、もっと中央の既得権益に切り込むような鋭い提言を見せてほしいが、いまのところ党の枠内に収まりすぎている印象を受ける」
SNSやネット上の論調では「世襲の象徴」として標的にされがちですが、選挙区内を歩く信千世氏の姿は、批判を浴びたことで逆に吹っ切れ、泥臭い辻立ちやミニ集会を地道に繰り返す「現場回帰」の姿勢が定着しています。有権者の側も、色眼鏡を外しつつ「地域のインフラ整備や人口減少対策でどれだけ具体的な成果を出せるか」を注視しています。