近年の宗教問題を語る上で避けて通れないのが、「新興宗教の二世問題」と「新興宗教の高額献金問題」です。自らの意志ではなく、親の信仰によって教義を強制されて育った子どもたちの苦悩は、深刻な人権・福祉の課題として浮き彫りになっています。
当事者の手記や証言に見る「宗教二世」の苦難
厚生労働省が公表した「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」や、元信者二世の手記で告発されている内容は、児童虐待防止法上の身体的・心理的・ネグレクトに該当する事例が多数含まれています。
公の場で語られた当事者の証言には、次のような生々しい実態が記されています。
「幼少期からアニメや漫画、テレビを禁じられ、教団の教えに反すると激しい体罰を受けた」(20代元信者女性の手記)
「親が全財産を教団に献金したため、大学進学を諦めざるを得ず、日々の食事すら事欠く生活だった」(30代男性の記者会見での証言)
進学の制限、友人関係の監視、輸血拒否などの医療制限、さらには教団が決めた相手との強制結婚(合同結婚など)に至るまで、子どもの基本的人権や将来の選択肢が著しく奪われてきた歴史があります。
法改正と返還請求訴訟の現況
2026年末に成立した「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(不当寄附勧誘防止法)」により、借金や住居の売却による資金調達の要求、霊感等による不安の煽り、配偶者や扶養親族の生活維持を困難にさせる寄附勧誘が明確に禁止されました。
全国霊感商法対策弁護士連絡会に寄せられた相談件数は依然として高水準を維持しており、過去数十年にわたる数千万円〜数億円規模の被害回復を求める集団訴訟が各地で継続しています。違法な勧誘行為に対しては、民法上の不法行為責任(民法709条)に基づく損害賠償請求が認められる判例が積み重ねられています。