テレビや新聞各社が「銃声のような音が聞こえた」「心肺停止か」と慎重にニュース速報を打つ中、現場に居合わせた一般市民による投稿は数秒単位で更新された。報道ジャーナリズムが裏付け取材という倫理的プロセスを重んじる一方で、SNSは「生の現場」を無フィルターで世界に届ける。この決定的なスピードギャップが、世論の第一印象を形作った。
しかし、速さと引き換えに犠牲になったのは情報の正確性だった。搬送先病院の情報や救急対応のプロセスを巡り、事実誤認の投稿が拡散。報道機関はSNSのスピード感に対抗しつつ、過激な誤情報に流されない冷静な情報発信が求められるという、かつてないジレンマに直面することとなった。