「アメリカに勝った国」というと、多くの人が「軍事力でアメリカを打ち負かした国」を想像する。しかし、これは大きな誤解である。アメリカが敗北したとされる事例のほとんどは、軍事力の純粋な衝突で決着したわけではない。むしろ、政治・外交・世論・経済といった非軍事要因が決定的な役割を果たしている。
もう一つの盲点は、「アメリカに勝った国」が必ずしも「繁栄している国」ではないという点だ。ベトナムは経済的成功を収めたが、アフガニスタンは混乱が続く。キューバはアメリカの経済封鎖を受けながらも独自の社会体制を維持しているが、経済的には苦しい状況が続く。ニカラグアも政情不安が続いている。つまり、「アメリカに勝つ」ことは、必ずしも国民の幸福や国家の繁栄につながるわけではないのだ。
さらに、歴史教科書やメディアでは「アメリカが敗北した」と明確に記述されることが少ないという問題もある。アメリカ国内では、ベトナム戦争は「勝利なき戦争」、アフガニスタンは「忘れられた戦争」として扱われることが多い。しかし、国際政治学の専門家の間では、これらの戦争は「アメリカの戦略的失敗」として広く認識されている。この認識のギャップが、ネット上の議論を混乱させる一因となっている。