こうした事態を受け、政府や自治体も動き出している。2026年に入り、災害対策基本法のガイドラインが改定され、避難所における乳幼児専用スペースの設置が義務化されつつある。その中心にあるのが、調乳のための清潔な水が不要な「液体ミルク」の普及だ。粉ミルクのように熱湯で溶かす必要がなく、開封してすぐに飲ませられる液体ミルクは、ライフラインが途絶した直後の救世主として期待されている。
しかし、現場での運用には依然として壁が立ちはだかる。自治体の備蓄倉庫には十分な量が確保されていても、道路の寸断によって被災地に届かない「ラストワンマイル」の問題が解決していないのだ。また、普段使い慣れていない液体ミルクを赤ちゃんが受け付けないという、現場ならではのミスマッチも報告されている。