多くの人が「なぜ京都駅ではなく本店へ行くのか」と疑問を抱きます。その最大の答えが、本店ならではの「出来立て・温かい阿闍梨餅」との出会いです。
丹波大納言小豆の粒餡を秘伝の餅生地で包んで焼き上げる阿闍梨餅は、焼き上がってから時間が経つにつれて独特のしっとりした食感へと落ち着いていきます。しかし、本店で工場から店舗へ届いた直後の個体を受け取ると、手の中に伝わる柔らかな温かさと、皮の表面が持つ極めて繊細な香ばしさを体験できます。口に含んだ瞬間に広がる芳醇な小豆の風味と、とろけるような餅の伸びは、一度味わうと駅売場のパッケージ商品との違いに驚かされるはずです。
さらに見逃せないのが、社名を冠した幻の銘菓「満月」の存在です。明治中期、九条家御用達の際に考案されたとされるこの菓子は、厳選された白小豆の漉し餡を贅沢に使った焼き菓子で、現在では生産数が極めて限られており、土・日・祝日を中心とした本店・直営店限定販売となっています。阿闍梨餅だけではない、老舗が誇る真の技術に触れられる点こそが本店の特権です。