熊本県へのTSMC誘致に代表されるように、経済産業省は巨額の補助金を投じる大型産業政策を強力に推進してきた。外資大手の工場を国内に呼び込むことで、緊急時の供給能力を担保するという算段だ。しかし、このアプローチには深い根拠を持つ疑問が投げかけられている。
補助金によって構築された生産基盤のコア技術や知的財産は、果たして国内企業へと還元されるのか。技術移転が不十分なまま下請け構造が固着すれば、真の技術主権回復からは遠ざかる。外資主導の産業構造が定着することで、国内の自律的な技術開発力がさらに削がれるリスクを冷徹に見極める必要がある。