2026年に入り、キョン駆除の現場は「個人の経験に頼る捕獲」から「先端技術を活用したデータ主導型防除」へと大きな転換点を迎えています。
最前線で威力を発揮しているのが、AI動体検知カメラを組み込んだスマート箱わなです。カメラが獲物の輪郭やサイズを瞬時に画像解析し、キョンと判定された瞬間のみ自動でゲートを落とします。これにより、在来生物の誤捕獲を完全に防ぎつつ、捕獲時にはハンターのスマートフォンへ即座に画像付き通知が送信されるため、見回りにかかる労力を9割以上削減することに成功しました。
また、広大な森林地帯では赤外線サーマルカメラを搭載したドローンによる夜間生息調査が実用化されています。これまでブラックボックスだった山林深部の生息密度や移動ルートがヒートマップとして可視化され、どこに罠を集中配備すべきかが科学的に算出できるようになりました。
さらに自治体の枠組みを超えた「関東広域連携防除ネットワーク」の稼働も2026年の大きな進展です。千葉県と茨城県、東京都、埼玉県が捕獲データや生息情報をリアルタイムで共有し、県境の河川敷や主要侵入ルートに防護フェンスと集中捕獲ゾーンを共同で構築。増えすぎた個体数を力技で減らすだけでなく、生息域の前線を押し返すための戦略的包囲網が敷かれています。