延べ数千人規模の警察、消防、自衛隊、さらには全国から集まった民間ボランティアが動員され、足の踏み場もないほどのローラー作戦が展開された。ヘリコプターからの上空監視や災害救助犬の投入など、当時のあらゆる手立てが試みられたものの、深い山林は人間の足跡を容易く覆い隠した。
急斜面や滑落の危険が伴う岩場、枯葉が厚く積もった沢筋での作業は、捜索員自身にも二重遭難のリスクを強いる過酷なものだった。どれほど高度な機材やマンパワーを投入しても、広大な山岳地帯における未知の死角を完璧に潰し切ることの難しさを、この事例は冷徹なまでに証明することとなった。