事故時の生存率を左右するのは、衝撃そのものだけではありません。着陸後の火災や煙からいかに素早く機外へ避難できるかという「緊急脱出の成功率」が生命線です。
英グリニッジ大学のエド・ゲレア(Ed Galea)教授が過去100件以上の航空機事故と2,000人を超える生存者の証言を分析した研究では、「非常口から5列以内の座席」に座っていた乗客の生還率が極めて高いという「5列ルール(Five-Row Rule)」が提唱されています。非常口から6列以上離れると、パニックや煙が充満する客室内での脱出成功率が急激に低下することが判明しています。
また、通路側席と窓側席の比較においても避難速度の差が浮き彫りになっています。通路側席は障害物なしに即座に通路へ出られるため、脱出初動のタイムロスを数秒単位で短縮できます。一方で窓側席は、通路側乗客の移動を待つ必要がある反面、上部荷物棚からの落下物や通路での押し合いから身を守りやすいという側面もあります。脱出スピードを最優先にするならば、非常口付近の通路側席が最も生還確率を引き上げるポジションです。