青い部分の伝統的な使い方として定着しているのが、豚の角煮やチャーシュー、鶏ガラ出汁を煮出す際の「臭み消し」である。この使い道には明確な科学的根拠が存在する。
青い部分に多く含まれる揮発性の硫黄化合物(硫化アリル)は、肉や魚を加熱した際に発生する独特の生臭み成分(トリメチルアミンやアルデヒド類)と結びつき、揮散させたり別の物質に変化させたりする強力なマスキング効果を持つ。さらに、ネギの持つ有機酸や酵素が肉の繊維を柔らかく仕上げる助けにもなる。
しかし、臭み消しとして鍋に放り込み、出汁を取った後にそのまま捨ててしまうのは非常に惜しい。煮込み終えた後のネギも、細かく刻んでタレに混ぜ込んだり、カレーや煮込み料理のベースに溶かし込んだりすることで、無駄なく最後までその旨味と食物繊維を摂取できる。