「左利きは天才」は嘘?脳科学の最新データとIq比較で見えた真実

「左利きは天才」は嘘?脳科学の最新データとIq比較で見えた真実

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左利きに関する俗説の中で、最も深刻な不安を招いてきたのが「左利きは右利きより平均寿命が9年も短い」という短命説です。1990年前後、心理学者のハルペルンとコーレンが発表したこの学説は世界中に衝撃を与え、現在でも知恵袋やまとめサイトでまことしやかに語られています。

しかし、この短命説は完全に破綻した統計学的欠陥(アーティファクト)であることが既に証明されています。当時、研究チームは死亡記録から利き手を調査したのですが、そこには致命的な時代背景が抜け落ちていました。20世紀前半以前、世界中で「左利きは矯正すべき悪癖」と見なされ、学校や家庭で苛烈な右利き矯正が行われていました。その結果、調査時点での「高齢の死亡者層」には矯正された隠れ左利き(表面上の右利き)が大量に含まれ、公然と左利きを名乗っていたのは「若年層」に偏っていたのです。若い層ばかりをサンプリングすれば見かけ上の平均死亡年齢が若くなるのは当然であり、その後の大規模追跡調査では左利きと右利きの平均寿命に有意な差はないと結論づけられています。

短命説が嘘である一方、左利きが直面する日常的なデメリットと認知的摩擦は無視できません。

駅の自動改札のタッチ面はすべて右側に配置されており、左利きの人間は腕を交差させるか、不自然に身体をひねって通過しなければなりません。ハサミや缶切り、スープバーの注ぎ口付きレードル、カメラのシャッターボタン、さらには日本語の横書き(文字を書く左手がインクで真っ黒に汚れる)に至るまで、生活環境の99%は右利きのエルゴノミクス(人間工学)で設計されています。これらの些細なストレスの蓄積や、右利き用重機・工具の操作による労働災害リスクの微増など、左利きが背負うリアルなハードシップは決して美化できるものではありません。

佐藤 大輔
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佐藤 大輔

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