「大衆食堂スタンドそのだ」が単なる一過性のブームに終わらず、熱狂的なリピーターを生み出し続けている最大の理由は、提供される料理の圧倒的な完成度とコストパフォーマンスにあります。大衆酒場の定番を独自のセンスで再構築した名物群は、一度味わうと記憶に刻まれる力強さを持っています。
中でも来店者の大半が注文する絶対的エースが「チャーシューエッグ」です。じっくりと時間をかけて煮込まれた厚切りの豚バラ肉は、箸で簡単に崩れるほどトロトロの柔らかさ。そこに半熟の目玉焼きが2玉豪快に乗せられ、甘辛く濃厚な特製タレとマヨネーズが絡み合います。黄身を崩しながら肉に絡めて口へ運べば、濃厚な旨味が広がり、酒の肴としても白米の相棒としても右に出るものがいません。
さらに揚げ物の看板である「メンチカツ」も見逃せません。粗挽き肉のジューシーな肉汁を閉じ込めたサクサクの衣に、特製のオーロラソースがたっぷりとかけられており、洋食屋顔負けの本格的な味わいを大衆価格で楽しめます。
そして、呑兵衛たちの喉を潤す名物ドリンクが「バイスサワー」です。どこか懐かしいシソ風味の甘酸っぱさと、シャーベット状に凍らせた焼酎(シャリキン仕様)の爽快なキレが特徴。脂の乗った料理の後味をすっきりとリセットしてくれます。なお、飲みやすさの一方でアルコール度数はしっかりしているため、店舗によっては「1人3杯まで」といった制限が設けられているのも有名なエピソードです。
締めの一杯として圧倒的な人気を誇る「中華そば」は、広島・尾道ラーメンをオマージュした本格派。いりこや魚介の出汁が効いた濃口醤油スープに大粒の背脂が浮かび、平打ちの縮れ麺がスープをしっかりと持ち上げます。「酒場のおまけラーメン」の域を遥かに超えたクオリティであり、ラーメン目当てに訪れるファンが後を絶たない理由がここにあります。