当時のプリクラブームを語る上で欠かせないのが、専用手帳である「プリ帳(プリクラ帳)」と、独自の符牒に満ちた落書き文化です。
放課後になると、無印良品やLOFTで購入した無地のミニバインダーやアドレス帳に、撮影したシールを隙間なく貼り詰める作業が行われていました。「プリ帳の厚み=交友関係の広さ」という暗黙のヒエラルキーが存在し、休み時間には「プリ交換しよ!」の合図で互いの重複シールを切り貼りし合うプリクラシール交換あるあるが日常茶飯事でした。
また、落書きペンが導入されてからの画面は、独特の文字文化の実験場となりました。
- 定番フレーズ:「ズッ友(ずっと友達)」「神メンツ」「我等友情永久不滅」「〇〇推し」「ウチら最強」
- 日付・場所の暗号化:「0314 in 渋」「地元めん」「放課後デート」
- 落書きテクニック:ハイテックCなどの超極細ゲルインクペンやポスカを持ち込み、印刷されたシールの上から手描きで縁取りやメッセージを追加する二重加工。
現場観察や当時の手記を振り返ると、落書き制限時間の「残り10秒!」を告げる警告音に焦りながら、友人同士でペンの色を奪い合った切迫感こそが、仲間意識を深める極上の体験装置となっていたことが分かります。