1970年代、演歌と歌謡曲の架け橋として活躍していた千昌夫が、アメリカ出身のモデルであり歌手のジョーン・シェパードと結婚したニュースは、当時の音楽業界のみならず日本中を大きな驚きで包み込んだ。二人の出会いは人気家電メーカーのCM共演。お茶の間の人気を博した仲睦まじい二人は「おしどり夫婦」として親しまれ、二人でのデュエット曲発売やバラエティ番組出演など、空前の国際結婚ブームを巻き起こした。
しかし、1988年に二人は離婚を迎える。その最大の要因とされたのが、千昌夫が当時手掛けていた大規模な不動産ビジネスの多忙さと、すれ違いの生活だった。不動産事業の拡大に伴い海外を飛び回る夫と、日本でのタレント活動や独自の生活基盤を持つ妻との間に、いつしか埋めがたい距離が生じたのだ。ドロドロとした愛憎劇ではなく、互いの人生を尊重した上での決断であったと当時報道されたが、二人の破局は昭和の終わりを告げる象徴的な出来事として長く語り継がれている。