スクープ写真に写っていたのは、派手なクラブでも高級レストランでもなく、都内の雑居ビルから静かに出てくる姿だった。カメラが捉えた未公開カットの数々には、気負いのない私服姿で周囲に目を配りながら歩く瞬間が刻まれている。一部で熱愛疑惑として浮上した女性の影についても、現場にいたスタッフや関係者の証言を丹念に辿ると、全く異なる構図が見えてくる。
深夜まで及んでいたのは、恋愛の密会ではなくプライベートな自主制作映画のミーティングだ。プライベートの垣根を軽々と越えて仕事と創作に没頭する姿は、ファンの間で想像されていたミステリアスな私生活のイメージそのものであると同時に、過熱する報道に対する彼なりの無言の回答のようにも映る。