平成の邦楽史に燦然と輝く椎名林檎の2ndアルバム『勝訴ストリップ』。ミリオンセラーを記録したこの名盤の音響的骨格を形成したのが、まさに彼のアレンジと演奏だった。「ギブス」や「罪と罰」といった代表曲で見せた、耳を切り裂くようなギターノイズと切ない哀愁の同居は、当時のJ-POPの概念を根底から覆した。
海外のオルタナティヴ・ロックやグランジのサウンド感を日本語のポップスに見事に昇華させた手腕は、ユニバーサルミュージックをはじめとする音楽業界関係者からも絶賛された。歪んだアンプの鳴りひとつで楽曲の感情曲線を表現するその鋭利な感性は、リスナーの記憶に深く焼き付いている。