タイトルの「神のまにまに」とは、「神様の仰せのままに」あるいは「神の意志に従って」を意味する古語だ。歌詞の原点にあるのは、古事記や日本書紀に記された「天岩戸(あまのいわと)隠れ」の神話である。太陽神である天照大御神が岩戸に隠れ、世界が暗闇に包まれた際、八百万の神々が神楽を舞い、宴を催すことで再び光を取り戻したストーリーが描かれる。
だが、この曲が伝えるのは単なる古典の再現ではない。「男も女も、誰もが神様から授かった大切な存在であり、完璧でなくても生きて笑い合えること自体が尊い」という、自己肯定感を抱きしめる現代的な賛歌なのだ。悩み、塞ぎ込んでしまった心を「岩戸」に見立て、外の世界からの温かい歌声と肯定の手差しによって解き放つ。重厚な神話世界を軽やかなポップスへと昇華させたリリックの深層には、生きづらさを抱える現代人への切実な救済メッセージが込められている。