地元では古くから「元出雲」の伝承が語り継がれている。島根県に鎮座する出雲大社へ大国主大神の御霊を勧請(かんじょう)した元宮こそが、この地であるという説だ。社伝によれば、その歴史は神代にまで遡り、奈良時代の和銅年間に社殿が造営されるはるか以前から、背後の山そのものが神として信仰されてきた。
「本家」論争を超えた重厚な佇まいがここにはある。出雲大社が壮大なスケールで参拝者を圧倒するならば、こちらは静かに魂の深部に問いかけてくるような静けさがある。社殿の建築様式や境内の配置にも、双方の深い霊的な繋がりを示唆する意匠が散見され、歴史ファンや考古学者の探究心をくすぐってやまない。