都市部の舗装率が上がれば上がるほど、熱は地面に蓄積され、夜間になっても放出され続ける。このヒートアイランド現象に対する特効薬として脚光を浴びているのが、流れる水を用いたパッシブデザインだ。静止した池とは異なり、流動する水は空気との接触面積が広く、気化熱による冷却効率が圧倒的に高い。
実際、最新の環境センシングデータによれば、流水路を配置したエリアでは周辺のコンクリート街区に比べて体感温度が平均で約3〜4度低下することが実証された。木々の蒸散作用と水面の気化冷却が合わさることで、都市の中に自然な「風の道」が生み出されているのだ。電気を大量消費する大型エアコンに頼るのではなく、自然の物理現象を都市設計に組み込む知恵が、今まさに結実しつつある。