『最後の晩餐』作者ダ・ヴィンチの生涯と名画に潜む謎を徹底解説

『最後の晩餐』作者ダ・ヴィンチの生涯と名画に潜む謎を徹底解説

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『最後の晩餐』を理解する上で避けて通れないのが、レオナルドが採用した「描画技法」と、それに伴う過酷な劣化・修復の歴史です。当時の壁画制作で標準的だった「フレスコ技法」は、漆喰が乾かないうちに一気に描き上げる必要があり、熟考しながら少しずつ筆を入れたいレオナルドの制作スタイルには合いませんでした。そこで彼は、乾燥した漆喰の上にテンペラと油彩を重ねる実験的な技法を選択したのです。

項目『最後の晩餐』の実データ一般的なルネサンス壁画の基準美術史・修復の観点からの評価制作年・期間1495年〜1498年(約3年間)1〜2年程度(専任工房による制作)構想と推敲に膨大な時間をかけるレオナルドとしては異例の速さ。使用技法テンペラ・油彩混合技法(乾いた壁面)真正フレスコ技法(濡れた生漆喰)明暗や色彩の繊細な表現を可能にした反面、致命的な剥落を招いた。画面サイズ縦 460cm × 横 880cm修道院食堂の壁面規模(同等)食堂の空間と絵画内の空間がシームレスに連続するよう緻密に設計。修復の経緯1978年〜1999年の「世紀の大修復」定期的な煤払い・補筆過去の劣悪な加筆層を顕微鏡下で除去し、作者本来の筆致が蘇った。

食堂という湿気の多い環境下で、油彩とテンペラの皮膜は完成後わずか20年足らずで壁面から浮き上がり始めました。16世紀の画家・伝記作家ジョルジョ・ヴァザーリが訪れた際には、すでに「斑点しか見えない」と記されるほど劣化が進んでいたと伝えられています。後世の画家たちによる無思慮な上塗りを経て、1978年から女性主任修復家ピニン・ブランビッラ氏らの手で20年超に及ぶ精密な修復作業が行われ、レオナルド自身が塗ったオリジナルの色彩が奇跡的に姿を現しました。

山口 彩花
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山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。