東京・歌舞伎町や大阪・ミナミの雑居ビル。看板を出さずに完全会員制で営業する店舗は以前から存在していた。しかし今、現場で起きているのは「店舗の消失」と「完全個人間取引への移行」だ。暗号化アプリや鍵付きSNSを通じてやり取りされるダイレクトメッセージで、価格交渉から場所の指定まで完結する。
「店舗に所属するとマージンを取られる。個人で受けた方が断然稼げる」
そう明かすのは、都内で個人としてサービスを提供する20代後半の女性だ。乳児を育てる彼女にとって、短時間でまとまった現金を得られる手段は限られている。だが、店舗という防波堤を失った個人取引は、密室でのトラブルや過剰な要求、さらには暴力リスクと隣り合わせだ。現場の不可視化は、そのまま危険度の跳ね上がりを意味している。