この場所を特別な存在にしている最大の理由は、圧倒的な借景にある。公園南側の護岸デッキに出れば、目の前を遮るものは何一つない。堂々と横たわるレインボーブリッジ、その向こうに見えるお台場の球体展望室、さらに視線を右へ振れば東京タワーの先端までがクリアに望める。これほどダイナミックに都心のランドマーク群を水越しに俯瞰できる都市親水公園は、首都圏広しといえども稀有だ。
潮風を受けながら腰掛けられる階段状の護岸テラスでは、本を開く人、カメラを構える人、ただぼんやりと海を眺める人がそれぞれの距離感を保ちながら共存している。夕暮れ時になると空は茜色から群青色へとグラデーションを描き、ビル群や橋に明かりが灯り始める。人工物と自然現象が織りなすトワイライトの美しさは、訪れる者の言葉を失わせるほどの吸引力を持っている。