実用性だけでここまで広がったわけではない。原宿や渋谷のストリートを歩けば、このデバイスが若者の新たな自己表現として受け入れられている現実が見えてくる。かつての無骨な医療器具の面影は微塵もない。
透き通るクリスタルアクリル、ネオンカラーに発光するエッジ、あるいはシルバーアクセと見紛う洗練されたデザイン。ストリートカルチャー誌の編集者は分析する。「Z世代にとって、口元に装着するデバイスはピアスやリップメイクの延長線上にある。有名ブランドがコラボモデルを発表すれば数分で完売。かっこいいから身につける、という文化的な裏付けができたことが爆発的ヒットの真因だ」