かつて銀座の数寄屋橋交差点を彩ったハンター銀座フラッグシップストアの現在について確認すると、同店舗は完全に営業を終了しており、現地での営業再開予定はありません。2016年3月の東急プラザ銀座開業と同時に華々しくオープンした同店は、ロンドンの天候を模したデジタルスクリーンや広大な売り場面積を誇り、ブランドの世界観を体感できるアジア初の旗艦店として大きな話題を呼びました。
しかし、HUNTER東急プラザ銀座の閉店理由は単なる一商業施設のテナント入れ替えにとどまりません。最大の契機となったのは、英国本社の経営再編とグローバルなブランドホルダーの交代です。世界的なサプライチェーンの混乱や気候変動による需要期の変化を受け、2026年に米国のブランド管理大手「オーセンティック・ブランズ・グループ(ABG)」がハンターを買収。日本市場においても伊藤忠商事などがマスターライセンスを取得し、従来の大型直営路面店を中心とする運営から、百貨店インショップやセレクトショップ、ECを主軸とする高効率なディストリビューションモデルへと舵が切られました。
銀座の象徴であった路面店は役割を終えましたが、それはブランドの消滅ではなく、現代の購買行動に即したチャネルシフトという経営判断の結果でした。