就寝時のスマートフォン対策において、ネット上で広く信じられているノウハウの中には医学的な誤解が散見されます。
代表的な誤解が「ダークモードやブルーライトカットフィルムを使用していれば、暗闇で長時間画面を見ても問題ない」という言説です。確かにブルーライトの絶対量を抑えることでメラトニン分泌への悪影響は一定程度緩和されます。しかし、眼科医が指摘する真の脅威は光の波長だけではありません。「暗所における瞳孔の散大」と「至近距離への毛様体筋の過緊張」こそが、眼精疲労と斜視を招く最大の要因です。
周囲が真っ暗な中で発光体を見つめると、瞳孔が開いた状態で強い光刺激が網膜に届きます。さらに、ダークモードに設定していても、文字と背景のコントラストによって瞳孔の拡大・縮小が頻繁に発生し、目のピント調節機能に過剰な負荷がかかります。設定変更だけで健康被害を完全に防ぐことは不可能であり、寝室全体の照明環境(間接照明の導入)と物理的な距離の確保がセットでなければ意味をなしません。