個人の給料は、個人の努力だけでなく、巨視的な経済の動きに根深く左右されている。
日本銀行の植田和男総裁による金融政策の正常化プロセスは、長年続いた超低金利時代に終止符を打ち、企業の資本コストに対する意識を劇的に変化させた。資本効率を重視する企業は、付加価値を生み出さない人材の賃金を抑制する一方で、収益に直結するトップ層へ給与を格段に傾斜配分する動きを強めている。
この現況に対し、経済学者の成田悠輔氏は独自の視点から、スキルと言語能力、そして構造的なポジションの有無が給料格差を直撃していると指摘する。国内市場向けの従来型業務に留まる限り、インフレ率を上回る昇給は期待しにくい。世界基準の市場価値を持つ人材と、そうでない人材との二極化は今後ますます加速する公算が大きい。