そもそも「28度」という数字はどこから生まれたのだろうか。時を遡ること2005年、当時の小泉純一郎首相のもと、環境相を務めていた小池百合子氏が主導してスタートしたのがクールビズ推進プロジェクトである。
地球温暖化対策とCO2削減を掲げ、オフィスでの軽装化とともに推奨されたのが「室温28度」というスローガンだった。しかし、この数値は科学的・生理的な最適解として導き出されたものではなく、1970年代のオイルショック時代に制定された建築物衛生法(ビル管理法)における空調管理基準の上限値を参考にした政治的アプローチの側面が強かった。半ば一人歩きした「28度設定」の呪縛が、20年以上が経過した現在もなお日本の家庭やオフィスを縛り続けている。