バックネット裏やメインスタンドの片隅には、鋭い視線をピッチに注ぐJリーグのスカウト陣の姿がある。東北の高校サッカー界は近年、素材系タレントの宝庫として再評価が進んでいる。スピードとサイズを兼ね備えた大型センターバック、狭いエリアを単独で打開できる小柄なドリブラー、的確なポジショニングで相手のカウンターを事前に摘み取るアンカーなど、今大会も視察リストに名を連ねるタレントが複数存在する。
「ボールを持った時の落ち着きと、次の展開を予測するスピードが他の選手と違う」
あるスカウトが手元のノートにペンを走らせながら小さく呟いた。彼らにとってこのインターハイ予選は、全国への切符を争う場であると同時に、プロのスカウトに将来をアピールする最大のショーケースでもある。プレッシャーを重荷にするのではなく、力に変えて躍動する10代の姿は実に頼もしい。