島根県の豪雪地帯、医師の家庭に生まれた森英恵。彼女のクリエイティビティの根底には、幼少期に過ごした自然豊かな環境と、厳格ながらも文化的な家庭環境があった。東京女子大学を卒業後、洋裁学校で学び始めた彼女は、戦後の焼け跡から立ち上がる日本で、自らの手で新しい女性の生き方を切り拓いていくことになる。
彼女の才能を開花させたのは、間違いなく家族の存在だった。特に、初期の映画衣装制作の仕事は多忙を極め、家庭と仕事の両立は並大抵の努力では成し遂げられなかったはずだ。しかし、彼女の背中を押し続けた家族の理解こそが、のちに世界へと羽ばたく「ハナエ・モリ」ブランドの強固な土台となった。