なぜここまで硬直化するのか。理由はシンプルだ。「前例がない」という一言で、すべての新しい提案を却下できる楽なシステムが温存されているからである。変化の激しい現代において、過去のデータは1年前のものでさえ役に立たないことが多い。それにもかかわらず、意思決定の場では常に「過去の類似ケース」が求められる。
責任の所在を曖昧にするための合議制も、この病理を悪化させている。全員のハンコが必要なスタンプラリーのような承認プロセスを経て出来上がるのは、誰の尖った意見も反映されていない、毒にも薬にもならない無難で硬直した決定だけだ。