福山地区の高校野球を語る上で、盈進(えいしん)の存在を外すことはできない。かつて甲子園の土を踏み、2026年の夏には48年ぶりとなる全国大会出場を果たして地元を狂喜乱舞させた伝統校だ。あれから数年、2026年の現チームが掲げるのは単なる過去の栄光の再現ではない。「勝ちきるチーム」への進化である。
グラウンドに一歩足を踏み入れれば、ピンと張り詰めた空気感が肌を刺す。徹底された声出し、隙のない走塁練習。しかし、その根底にあるのはスパルタ指導ではなく、選手自らが考え抜く自律的な野球だ。名門のプライドと時代の変化に合わせた柔軟性。この二つが融合したとき、福山に再び甲子園の歓声が戻ってくる可能性は極めて高い。