甲子園の初戦、大歓声のなかでもナインの表情には不思議と焦りの色がなかった。相手は甲子園常連の超強豪校。しかし、市立福山のエースは臆することなく、内角を突く強気のピッチングを淡々と展開していく。
「甲子園には魔物がいると言われますが、僕たちは地元の狭いグラウンドで何百回も厳しいピンチの場面をシミュレーションしてきました。だから、球場の雰囲気に呑まれることはなかったです」と試合後に主将は語った。最終回のピンチでも冷静に内野ゴロに打ち取り、勝利を決めた瞬間、スタンドからは地鳴りのような歓声が響き渡った。