2026年の現在、能登牛の評価は国内の高級すき焼き店や鉄板焼き店にとどまらず、グローバルなファインダイニングの領域へと広がっている。パリやシンガポール、ニューヨークのミシュラン星付きレストランのシェフたちが、わざわざ能登の地を訪れて生産者と直接契約を結ぶケースが急増しているのだ。
海外のトップシェフたちが絶賛するのは、単なる「サシ(霜降り)の美しさ」だけではない。能登半島の豊かなミネラルを含んだ井戸水、潮風を受けた牧草、そして四季の寒暖差が育む肉本来の豊かな味わい——いわゆる「テロワール(土地の風土)」が肉質に凝縮されている点だ。フレンチやイタリアンの文脈においても、重いソースを必要とせず、シンプルな塩とハーブだけで素材のポテンシャルを最大限に引き出せる食材として絶大な信頼を寄せられている。