2026年のタフティングシーンを語る上で避けて通れないのが、素材に対するアプローチの進化だ。ブーム初期に懸念されたアクリル糸の大量消費による環境負荷に対し、業界全体でサステナビリティへの転換が急速に進んだ。現在、第一線で活躍するスタジオや作家たちが使用する糸の主流は、再生ウールや海洋プラスチックを再資源化して作られた高機能リサイクル繊維へと移行している。
アパレル工場で発生する廃棄予定の端切れや余剰糸を回収・解体して再紡績した「アップサイクル毛糸」の供給網も整備された。さらに、裏面に塗布するラテックス接着剤や土台となる基布に至るまで、生分解性の高い天然素材を標準採用する動きが拡大している。環境に配慮した選択が、作品そのもののプレミアムな価値を高める好循環が生まれている。