建築物としてのユニークさも見逃せない。立体化された3階建ての現代的な建築でありながら、内部の通路や店舗配置には、かつての農連市場特有の「路地裏感」が巧みに組み込まれている。直線の通路だけでなく、少し曲がりくねった小さな横丁のようなスペースが用意され、歩くたびに探検のようなワクワク感をもたらす。
1階は活気あふれる卸売り・小売り店がひしめき、2階には個性豊かな飲食店やサービス店舗、3階には地域住民が集うスペースが配置されている。この多層構造が、買い物客だけでなく地域社会全体の交流を生み出す装置として機能している。近代的な衛生管理と、古き良き市場の適度な混沌。この二つが見事な調和を見せている。