もちろん、東京都や行政も手をこまねいてきたわけではない。
善福寺川の治水史において最大の防衛策となっているのが、「神田川・環七等地下調節池」をはじめとする巨大な地下防災インフラだ。環状七号線の地下約40メートルに建設された広大なトンネル状の施設は、善福寺川や神田川、妙正寺川が増水した際、溢れ出た大量の濁流を一時的に引き込み、下流への負担を劇的に軽減させてきた。
2026年現在、AIを活用した流入制御システムの導入や、さらなる貯水容量の拡張工事が着々と進められている。しかし、インフラがいくら進化しようとも、それを上回る集中豪雨が襲来するリスクを完全にゼロにすることはできない。