大津駅や膳所駅から会場へと向かう人の波は、毎年周辺の住宅街を飲み込む。ポイ捨てされるゴミ、私有地への無断立ち入り、深夜までの騒音——。かつては地元住民にとっても誇りだった花火大会が、過酷なオーバーツーリズムの象徴へと変貌してしまったと感じる人も少なくない。
こうした声を受け、実行委員会は地域住民向けの優先エリア設置や、混雑緩和のための交通規制案を順次導入してきた。しかし、一度生じた心理的な溝を埋めるのは容易ではない。「誰のための花火大会なのか」という根源的な問いが、主催者である実行委員会に常に突きつけられている。